« 2007年02月 | メイン | 2007年06月 »

2007年03月02日

ハーレーのマフラーを替える時に知っておくべきこと

ハーレーダビッドソンを買ってまずカスタムされるマフラー。

マフラー(エキゾーストシステム)には大きく分けて三つの役割がある。
・音量を下げる
・排気バルブから排出されたガスを、後方の安全な所へ導く
・排気効率を上げて、エンジン性能を向上させる

マフラー交換でパワーアップするのは3番目の役割があるからだ。

排気効率を上げられる理由は
排気ガスが出てくる際には慣性の法則が働いて、エンジン内に残ったガスを吸い出して、新しい混合気を吸い込もうとする。
この仕事はもちろんピストンがメインでやっているが、マフラーはその手助けをしている。

不要な排ガスがいつまでも残っていると、熱が残ったままになって効率が悪いし、オーバーヒートしやすくもなる。
ガス交換を速やかにすれば、工ンジンの性能は上がる。

マフラーにもいろいろな形のものがある。
パナヘッドややナックルヘッドのころのマフラーは、ハーレーダビッドソンに限らず、マフラーによって排気効率を変化させたり、サイレンサーによって消音するというシステムが現在ほどは確立されていなかった。
そうしたシステムが導入されたのは、ハーレーダビッドソンでは70年代の後半になってからだ。
現在のマフラーは太さ、長さ、形、構造など、細かく考えられている。

排気ガスはらせんを描きながら一方向へ流れる。マフラーはぶつかり合う所を少なくして、スムーズに流れるように設計されているのだ。

マフラーは排気ガスを出やすくして、排気効率を上げる。
ただ、排気ガスがよく抜けるマフラーほど、いいマフラーというわけではない。
直管マフラーのような抵抗が少なすぎで排気慣性が大いマフラーだと、低中速時では混合気が燃え切らないうちに出てきてしまうのだ。
直管マフラーをつけていてそのような状態なっているとトルクが出ないし、燃費も落ちる。
それに一酸化炭素や炭化水素といった有毒物質を沢山だしてしまう。
直管ほどではないにしても、ほとんどの社外のマフラーは、排気効率を上げるためにノーマルよりは抜けがいい。
ノーマルのキャブレターのセッティングでは混合気が薄いのに、さらに薄くなってしまうのだ。
人間に例えれば、食事を十分に取らないでいて、なおかつおなかを下し

ハーレーダビッドソンに乗っていると必ずといって良いほど、マフラーを交換している場合が多い。
ノーマルマフラーだと仲間からなぜ変えないのかと非難に近い声をかけられることもある。(私の場合ありました。(^^;)
ノーマルマフラーは、さまざまな規制がある中で、可能な範囲の性能をたたき出している。
マフラーだけ変えても、バランスを崩すことになるのだ。

理想的なマフラーはチューニングをバランスよくした上で、エンジンが要求する排気抵抗に適しているもだ。
当然だがマフラーの音が大きいほど力が出ているというわけじゃない。
エンジンで発生するすべてのエネルギーのうち、実際に動力エネルギーになるのは実はほんの30%弱。
残りの70%強は、熱、そして振動や音という形になってロスしている。
音も、エネルギーの一つだ。
音も熱も振動もないバイクは効率は良いがつまらないだろう。
やはりバランスが大切なのだ。

ハーレーダビッドソンとマフラー、良い音を出すには?

ハーレーダビッドソンに乗ってい誰もが当然関心がある「音」がある。
マフラーから排出される排気音だ。
排気音の良し悪しは、ハーレーオーナーにとって大きな関心事の一つで、仲間内の話題にもよくあがる。

マフラーを換えることによって、排気音は変わる。
マフラーはあくまでも排気効率を変化させるためのもので、音を変えるは本来の目的ではない。
とは言え、キモチの良い音を響かせたいと思うのは当然だろう。

ハーレーダビッドソンのバイクのエンジン音の特徴はもちろん3拍子だ。
イイ音を出すことができるわうにマフラーだけ換えても、もちろん3拍子は出せない。
ハーレーダビッドソン独特の鼓動は、エンジンから発生するものだからだ。

仮に例えるとエンジンをアンプとすればマフラーはスピーカーのようなものだ。
点火系を含めたエンジンそのものをチューンして、3拍子が出る。

さらに、乗っている時に聞こえる音と、走っているバイクの音を聞いている時では聞こえ方が違う。
自分のバイクに乗っているとなぜか、他の人のバイクのほうが、低くてイイ音が出ていると感じてしまう。

これを「隣の芝生現象」と呼ぶ。(←そんなわけないです。)
これは「ドップラー現象」と言って音の振動と一緒に自分も移動しているか、音だけ移動して、自分は止まっているかで聞こえる音が違う、とっいったものだ。
同じ救急車のサイレンでも、近づいてくる音は甲高く聞こえ、通りすぎると低くなるのは誰もが経験しているだろう。
周波数の高い音は速く届き、低い音は遅く届く。
バイクに乗っている時にはバイクよりも速い音、つまり高音しか聞こえない。
だから迫力がないように感じるのだ。

ハーレーダビッドソン独特の「排気音」で悩んでいるならマフラーをあれこれ取り替える前に一度仲間に乗ってもらって、自分のバイクの音を傍から聞いてみるのも良いだろう。

ハーレーの点火系を知る。

ハーレーダビッドソンのエンジンは4ストロークエンジンだ。
吸気、圧縮、爆発、排気の4工程を繰り返している。

点火系は混合気が圧縮された時に、適正なタイミングと着入力でプラグに火花を飛ばして、爆発させる。

点火システムは、大まかな構成要素として、プラグに大を飛ばすタイミングを計るコンタクト部、回転数に応じてそのタイミングを調整する進角部、そしてプラグに火を飛ばすイグニッションコイルといったものから成り立っている。

イグニッションスイッチがオンになっている状態で、バッテリーの電気は、イグニッションコイルの中を通ってコンタクト部まで常時流れている。
コイル内部には、1次(プライマリー)コイルと2次(セカンダリー)コイルの2つがあって、電気が常に流れているのは1次コイル側だ。

そして適正な時期がくると、コンタクト部において電気は突然遮断される。
するとコイルの電圧が一気に上がり、プラグに接続されている2次コイルに誘発電流が流れ、プラグがスパークするのだ。

つまり火花を飛ばしたい時に接続するのではなく、逆に遮断することで電気がプラグに行くのだ。

電気を遮断するタイミングを計るために、コンタクト部はカムシャフトやクランクの回転と連動していて、クランクがちょうど良い位置に回転した時に合図を送るようになっている。
しかしエンジンの回転が上がると速いタイミングで火花を飛ばさないと間に合わなくなる。
これを進角と言う。合図を送る位置を手前にすることから、「角度を進める」という意味で、この言葉が使われている。

点火システムにも、いろいろな種類がある。
ハーレーダビッドソンに最初に採用されたのは65年の最終型パンヘッドまで使われた、ポイント点火で、進角は手動式だった。
ポイント点火式は接点があるため、その部分が消耗してしまったり、プラグに飛ばす火花が小さいという欠点があった。だから今のバイクにはあまり採用されていない。
当時はガソリンの質が悪かったため、ノッキングを起こした。、ノッキングは不完全燃焼によって起こるからだ。
そこで、エンジンに負担がかかった時には進角を落とす必要があったため手動で進角を調整する方式になったのだ。

66年から78年までのショベルヘッドになると、手動ではなく、ガバナーという装置を利用した自動進角式のポイント点火になった。
そして79年になって、フル・トランジスタ点火が採用された。
80年にはデジタル進角になった。
センターから信号を受け取って、あらかじめブログラミングされたデータに従って、点火時期を制御する方式で、モジュール点火とも言う。

ハーレーダビッドソンの場合には、このシステムに「∨ファイヤ」という名前が付けられた。
∨ファイヤ以後は、エボリューションもツインカム88にも、この方式が採用されている。

他にも独立点火と同爆点火という分類もある。
一つのシリンダーに対し、一つのコイルを使うのが、独立点火=シングル・ファイヤー。
これに対し、すべてのシリンダー、つまりハーレーダビッドソンなら前後二つのシリンダーのプラグに一つのコイルで火花を飛ばすのが、同爆点火=デュアル・ファイヤーだ。

ハーレーダビッドソンでは62、63年の2年間だけ独立点火を採用したが、1気筒につきプラグが1本の場合、二つのコイルの個体差が八ッキリ表れてしまい、中低速で爆発が安定しなかったため不採用になった。
スポーツスター1200Sは93年モデルから03年モデルまで、独立点火が採用されていた。
圧縮比が高いスポーツスター1200Sのエンジンは、1気筒当たりのプラグを2つにする必要があった。燃焼室の構造を考えて完全燃焼をさせるためだ。前後2本ずつ合計4本のプラグを1つのコイルでまかなうのはキビシイので、この場合は独立点人の方が効率的だと考えられたのだ。

ハーレーで3拍子を出すには

ハーレーダビッドソンの排気音は3拍子の美しい響きが魅力の1つだ。
しかし、現在のハーレーダビッドソンはノーマルの状態では3拍子が「鳴らないように」設定されている。
それはなぜなのだろうか。

ハーレーダビッドソンでもハッキリと3拍子が出ているバイクが少ない。
ハーレーダビッドソンの音が3拍子といっても、実際には本当に3拍子になっているわけではない。
ハーレーダビッドソンのエンジンは2気筒だからだから本当は4拍子で、同じようなタイミングで鳴る2つの音が重なってきこえるから変形の4拍子で、それが3拍子に聞こえるだけなのだ。
クランクが1つのVツインであるハーレーダビッドソンの場合はアイドリングのときに1回の爆発を一番良い状態にあわせると必然的に3拍子になるのだ。

ハーレーダビッドソンのエンジンは2気筒で、シリンダーを進行方向に縦に並べた∨ツインだ。
そのてハーレーダビッドソンのエンジンは他のツインエンジンと違って、2つのピストンが、1つのクランクを共有している。
このため、前のシリンダーが爆発してから後ろが爆発するまでクランクは360度マイナス45度しか回転しない。
逆に、後ろが爆発してから前が爆発するまでは360度プラス45度になる。
前のシリンダーが爆発した時と、後ろのシリンダーが爆発した時は、それぞれクランクを回す際の抵抗が違ってくるから、ある回転数の間でも、その中で回転のスピードが速くなったり遅くなったりしている。
ハーレーダビッドソンの場合は前後のシリンダーに同時に点火している。
一方にタイミングを合わせるともう一方は空撃ちの状態になるが、ハーレーダビッドソンはクランクが1つのため、点火のタイミングはかわらないし、コイルの個性で前後のバラツキを抑えることができるからだ。

実はハーレーダビッドソンのバイクも一時期は独立点火方式を採用したこともあったが、すぐに取りやめられたことがある。
独立点火方式はレースの時などで高回転時にどうしても強い火花がほしいといった場合を除いて、あまり意味がなく、普通に走る場合には、同時点火(同爆)の方がいいメリ八り感を出しやすい。

昔のハーレーダビッドソンのの∨ツインは、単気筒の延長で考えられている。
単気筒のエンジンに同じクランクの上で、2個のコンロッドとビストンを付けるだけで2気筒になって、排気量を倍にできる。
単純に考えればそれだけで倍の動力を得られるわけだ。

オイルクーラーではオーバーヒートを防げない

ハーレーダビッドソンのエンジンはほとんどの車種が空冷だ。

オイルクーラーはオーバーヒートを防ぐことにはならない、と言うことは注意が必要だ。

オイルにはエンジンの冷却作用があるが、エンジンをオイルだけで冷やしている訳ではない。
冷やす仕組み自体は同じだが、オイルクーラーは水冷や油冷のラジエーターのようなものではない。
ハーレーダビッドソンのエンジンはレボリューシ∃ンを除いて空冷工ンジンだから、基本的に風でしか冷えないのだ。

ハーレーダビッドソンがオーバーヒートをおこすのは後ろのシリンダーより前のシリンダー。
ハーレーダビッドソンは前のシリンダーが焼き付きやすいのだ。
後ろ側のシリンダーは風が当たらないから冷えないが、実際に焼き付きやすいのは前のシリンダーなのだ。
これは、45度の∨ツインの構造上、どうしても前のシリンダーの後ろ側に、オイルが十分にかからないからだ。
オイルクーラーを設置することによって、シリンダーに風が当たらなくなっては逆効果だから取り付け場所も重要だ。

オイルを冷やしても、エンジンは冷えないが、オイルがシリンダー内壁に十分にかからなくなると、ピストンとシリンダーの摩擦が増し、またオイルによってピストンの熱をシリンダーを通じて外へ逃がす作用が少なくなるのだ。
だからオイルクーラーはオイルが熱せられて性能が落ちてしまうことを防ぎ、エンジンを保護する。

オイルクーラーを付けれは、オイルの劣化を軽減するためには有効だ。
オイルクーラーの目的は、オイル自体の劣化を防ぐことなのだ。
熱くなったエンジン内で、エンジンオイルの温度が200度近くになってしまうと、もともと配合されている添加剤に異常を来して、性能を発揮できなくなる。
それを防ぐために、オイルの温度を下げるのだ。
油温計を付けていても、オーバーヒートになりそうかどうかの判断はできない。
多少の目安にはなるが、オイルの温度=ピストンの温度ではないかだ。
油温計は、オイルの状態や性能を知るためのもので、決して無意味なものではないが、油温計の数値から判断するには経験と知識が必要だ。

オイルクーラーはオーバーヒートそのものを根本的に防ぐ力はないが、オーバーヒートになりそうな状況下でオイルの劣化を少なくできる。
オイルクーラーを付けるのも意味があるが、オイル交換をこまめにすることはもっと重要だ。

2007年03月03日

ハーレーダビッドソンにプライマリーケースがある理由

ハーレーダビッドソンには、大きなプライマリー・ケースがある。
なぜか。

当たり前だがエンジンで発生した動力はタイヤまで伝えられて、バイクは前進できる。

エンジンでは、ビストンの上下運動をクランクシャフトの回転運動に変えている。
エンジンの回転数は、クランク・シャフトが1分間に回転する数を表し、3000rpmなら1分間で3000回クランク・シャフトが回っている。

その回転数がそのままホイールに伝わったら、ものすこいスピードになってしまう。
クランク・シャフトの回転数は早いが、力はそれほど大きくない。
だから回転数を落として、力を大きくする必要がある。

テコの原理によって、回転数を落とすと、それに比例して回転力は大きくなる。
減速を最初に行うのがプライマリーだ。これを一次減速という。

今のほとんどのパイクは、クランクシャフトがミッションのメインシャフトを、ギアを介して直接動かしている。
しかしハーレーダビッドソンはチェーンを介して動かすという、音ながらの方法を採用している。
だからハーレーダビッドソンには、大きなプライマリー・ケースがあるのだ。
クランク・シャフト側の小さいスプロケットがミッシ∃ン側の大きなスプロケットを回すことによって、エンジンの回転数を半分程度に落とす。

ミッションは自転車の変速機と原理は同じで、車速に合わせてさらに減速比を調節する。
ただしトップ・ギアは原則としてプライマリーの回転数と同じになる。
そしてミッションの回転数をホイールに伝える時に、さらに減速して、より力強くして伝える。これを二次減速と言う。(二次減速は最終減速、ファイナル・ドライブとも言う)

二次減速の減速比は、ミッションにつながるフロント・スプロケツトと、ホイールにつながるリア・スプロケツトとの大きさの比率で決まる。

ハーレーはなぜベルトドライブなのか

ハーレーダビッドソンの動力の伝達は、ドライブ・ベルトで行う。
ハーレーダビッドソン以外の多くのパイクはほとんどがチェーンを採用している。

ハーレーダビッドソンがベルトを採用しているのにはもちろん理由がある。
ベルトのメリットは、ほとんどメンテナンスがいらないということだ。
アメリカでは長い距離を乗ることが多いから、チェーンの汚れを落としたり、オイルを差したり、遊び調整をしたりといったメンテナンスを頻繁にしないですむベルトのほうが都合が良いのだ。
だから、ハーレーダビッドソンではベルト方式を採用している。

ベルトのメリットを生かすには、きちんと整備されていることが前提で、例えば前後のスプロケットの位置が少しでもズレていると、ミッションなどへの負担が大きくなる。
チェーンの方が許容範囲が広い。

ハーレーダビッドソンでもチェーンにカスタムしている方もいる。
理由は好みやワイド・タイヤを履かせたい、などといったことも多い。
しかし、本来チェーン化する一番のメリットは、減速比を変更しやすいことだ。

エンジンや吸排気をカスタムして出力が上がった場合、ノーマルの減速比のままでは、加速感は向上するが、最高速の伸びが物足りなくなる。
出力が上がったパワーを生かしきるには、減速比を高速向きに変える必要がある。
のような場合にはベルトは長さを調整できないから、ベルトはチャーェーンより手間とコストがかかってしまうのだ。


スポーツスターのレーサーがチェーンを採用しているのは減速比を変更しやすいといった理由だけではない。
スポーツスターはスポーツ・バイクにしてはリア・サスペンションのストローク量が少ないことにその理由の発端がある。

ベルトはサスが沈むと張る方向に動く。
当然、その時のための余裕、つまり遊びを多少作っておく必要がある。
サスを長くしてスト□―ク量が増えると、ベルトをかなり緩くしておかなければならなくなる。
するとサスが伸びた時にコマ飛びしやすくなってしまう。
反対に遊びを大きくしないでおくと、サスの動きが制限されたりベルトが張りすぎて切れる可能性が大きくなる。
だからベルトでは対応できないのだ。
チェーンの場合はスプロケツトとの噛み込み量が多いから、滑ることはほとんど無い。

管理人紹介

ご来場、ありがとうございます。
(このホームページはハーレーダビッドソンジャパン株式会社とは関連がありません。完全な個人のホームページです。)

ハーレーダビッドソンジャパン.comの管理人は、、、
免許を取る前にハーレーを買いました
ハーレーに乗るために免許をとりました。
ハーレーにしか乗ったことがありません。

そんな「ハーレーダビッドソンジャパン.com」管理人tokuです。
一緒にハーレーのコト、もっと知っていきましょう!


ハーレーダビッドソン ロードキング
・車種 ハーレーダビッドソン(FLHRロードキング)
・年式 2001年モデル
・エンジン型式 TWIN CAM 88
・燃料供給方式 キャブレター
・排気量(cc) 1,450
・フロントホイール キャスト
・リアホイール キャスト
・フロントブレーキ ダブル
・リアブレーキ シングル
・風防 常時取り外し。たまに付けます。
・用途 ツーリング、キャンプ

2007年03月04日

ハーレーのトランスミッションは増え続けている

ハーレーダビッドソンのエンジンの回転数と同じスピードでいきなりタイヤが回転したら大変なことになる。
エンジンの回転は速いのだ。
エンジンの回転数は、一次ドライブと二次(ファイナル)ドライブによって減速される。
現在のハーレーダビッドソンの場合、一次ドライブがプライマリーで、二次ドライブがドライブ・ベルトだ。
そしてさらに、状況に応じて減速比を変えられるようにするのがミッションの役割だ。

ミッションは一次ドライブと二次ドライブの間にあって、自転車と同じように、大きなギアから小さいギアに変えていくことで、減速比を1に近づけていく。
一番大きなローのギアは、テコの原理によって、1回転当たりの力が最も強い。
だから大きな力(トルク)を必要とする発進時に使われる。
走り出して車速が上がると、セカンド、サードというように小さいギアに変えて、力よりも速度を稼ぐのだ。

バイクのミッションの構造はどれもそれほど変わりは無い。
ただ、ハーレーダビッドソンのビッグ・ツインのミッションは、エンジンと別体になっているところが他のオートバイと大きく異なる点だ。
ハーレーダビッドソン以外のバイクも、昔はミッションを設計するメーカーとエンジンを設計するメーカーが別の場合が多かったから、ミッションとエンジンは別体なのが普通だった。

ミッションがエンジンと別体になっていると故障した時もミッションだけ外してオーバーホールや交換することができるから便利だ。
今のバイクのミッションは昔と比較しては信頼性も上がり、別体にする必要はなくなってきている。
この部分も、ハーレーダビッドソンは昔ながらのスタイルを採用し続けているところだ。

ハーレーダビッドソンのミッションは2007年モデルから6速になっている。
ハーレーダビッドソンは30年代のサイドバルブ・エンジンを載せたビッグツインのころからずっと4速だった。
サイドカーでは3速+バツク・ギアというものもあった。
ハーレーダビッドソンが5速ミッションを採用したのは、ビッグ・ツインに関しては79年のFLTツアーグライドが最初で、84年からほとんどの車種に、スポーツスターは91年から採用された。


ハーレーダビッドソンが4速から5速、6速と変更になってきたのは、高速化するのにオーバードライブなギア比がほしかったという理由だ。
オーバードライブとは、ギヤ比1.0以下のギヤを持つ変速機。
このオーバードライブギアを使うことによって、低いエンジン回転数でも高速で走行することができる。

低いエンジン回転数でも高速で走行するには二次減速比を変えるという手段もある。
しかし、ただ単に高速化するだけなら二次減速比を変えてもよいが、4速のままではシフトダウンによるミッションやエンジンに対する負担が大きい。
それを軽減するために、クロスレシオ化したのだ。
クロス・レシオ化とは単純に言えば、ギア間のビッチを小刻みにすることだ。
□―とトップの回転数が同じだった場合、5速の方が4速よリピッチが細かくなる。
ピッチが異なるとシフトアップしていくときの加速感が違ってくる。
ピッチが大きいと、一回ギアチェンジするたびに大きく回転数が落ちるのだ。
それぞれのギアを使う時間が長くなり、加速時にはある意味ダイナミックな感じが楽しめるが、スムーズさには欠ける。
反対に、減速のシフトダウンの際には、回転数が上がりすぎて、反動がかかってしまう。

チューニングでクロスレシオ化する場合もある。
例えば高性能のスポーツバイクの場合、エンジンの回転数をできるだけ落とさないようにするためにクロスレシオ化する。
レースでは高速域しか使わないから、下の方のギアは無視して、高回転をキープできるようなギア比を選ぶのだ。
実用向きのオートバイでは、重い荷物を積んで走ることが多い場合は、下のギアを使う頻度が多くなるから、そこでの使い勝手がよくなるように、1速と2速を近づけたりする。

こうしたミッションの減速比の設定は、エンジンの出力や車体の状況、どういう道をよく走るのかということなどから考えて割り出される。
ハーレーダビッドソンも5速になって以来、よリスポーツ的な目的で使われることも多く、チューニング用のギアもそれまでより多様になって、セッティングの幅も広がっている。


ハーレーダビッドソンのクラッチが硬いのは?

ハーレーダビッドソン以外のバイクを含め、クラッチの方式にはいろいろな種類がある。
大きく分けると乾式と湿式、単板式と多板式に分類できる。
クルマの場合は乾式単板式が多く、オートバイでは湿式多板式が一般的だ。

クラッチは方式にかかわらず、基本的にフリクション・プレートとスチールプレート(クラッチ・プレート)、そしてそれらを押し付けるプレッシャー・プレートといった円盤で構成されている。
単板の場合は、フリクションプレートとスチールプレートの接する面積が非常に大きく取れ、圧力も大きくできるから、重いものを引っ張るのに適している。
反面、スペースを大きく取られるので、バイクには向いていない。

多板式は多くの板を使うことで外径自体は小さくしつつ、接する面積を大きくできる点でバイク向きと言える。
抵抗が少なく、少しずつスムーズにつなぐことができる。

乾式と湿式の違いは、乾式が空気によって冷却し、また摩擦で生じるプレートのカスもその空気で吹き飛ばす方式。
湿式は、オイルの中に浸すことで、オイルによって冷却し、プレートを洗浄する方式だ。
乾式のメリットは冷却効果が湿式よりも良く、圧着率がいいから、スプリングを強くしなくてすむ。
だからクラッチ操作を軽くできるのだ。
乾式は走って風をよく当てないと、カスが残って張り付きが起こりやすい。

また外部に露出しているから騒音も大きくなる。
乾式はレーサータイプのバイクに採用されているが、一般的なバイクには湿式が採用されている。

ハーレーダビッドソンも湿式多板式だ。

以前のハーレーダビッドソンは「半乾式多板式」という非常に珍しい方式を取っていた。
スリップしたかと思うと食いついたり、といったジャダリング現象があり84年からは湿式になった。
プライマリーとミッションケースが一体化されているスポーツスターの場合は、73年から湿式を採用していた。

ハーレーダビッドソンのクラッチは重い。
それはプレッシャー・プレートのスプリングが硬いからだ。
クラッチがスリツプしないように、硬く作られているのだ。
アメリカで多い、長距離を荷物を積んで二人乗りするような状況を想定してあるのだ。

アメリカでは道路も長く一端繋いだら、半クラッチを使うことはあまりない。
だから軽さを意識する必要も、それほどないのだ。

日本の場合は、頻繁にクラッチ操作をする状況が多い。
もちろん、スプリングを軟らかくすれば、軽くなる。
日本では頻繁にクラッチ操作をするが故にアメリカとは違う意味でクラッチヘの負担が大きい。
だからクラッチがヘタリ易いのだ。

クラッチが重くて困る場合はスプリングには手を加えず、テコの原理でスプリングを押せるパーツなどを利用すると良い。

クラッチは消耗品だ。
使っているうちにヘタって、滑るようになってくる。
そうした状態のままで乗っていると、適切なタイミングで動力が伝わらないことで、エンジンやミッションに負担もかかる。
滑るようになってから交換するのではなく、タイヤと同じように、定期的に消耗の度合いをチェックして、ある程度消耗したらまだ使えたとしても交換すると良い。
燃費も向上するし、フィーリングもよくなる。

クラッチの負担を減らすためには、プライマリーオイルを適度に交換すると良い。
ハーレーダビッドソンの場合、プライマリー・チェーンを潤滑し、クラッチは滑らせないという特殊なものなので、必ず専用のオイルを使う必要がある。

クラッチケーブルのメンテナンスも大切だ。
グリスアツプし、交換する場合はワイヤーの取り回しを考えて、ムリなカープをつけないようにする。
クラッチケーブルが錆びているとただでさえ重いクラッチがますます重くなってしまう。

ハーレーのオイルは特別だ。

ハーレーダビッドソンは一般的なバイクとはオイルの役割が異なっている。
一般的なバイクは、エンジン、トランスミツション、クラッチなど、すべての潤滑を1種類のオイルのみでまかなっている場合が多い。

もちろん、本来はエンジンオイルやミッションオイルの役割は違う。
エンジンオイルは、潤滑作用、減摩作用、冷却作用、防錆作用、密閉作用、清浄分散作用といった役割を果たしている。
特に高回転時のビストンまわりの抵抗を減らすことが大きな目的だ。
トランスミツションは内部にギアが多く、トランスミッションオイルには局圧での摩擦や摩耗を減らすための機能が求められる。
クラッチは滑らせないようにする必要がある。

ハーレーダビッドソンはビッグツインの場合、構造上エンジンとミッションとプライマリーが分かれている。
だからエンジンオイルとミッションオイルとプライマリーオイルは別なものを使用する。

ハーレーダビッドソンのクラッチはプライマリー側にある。
だからビッグツインのミッションオイルには、クラッチを滑らせないという役割は必要ない。

逆にハーレーダビッドソンには他のバイクと違ってプライマリーチェーンがあるから、プライマリーオイルはその潤滑も賄っている。
ビッグツインのプライマリーオイルは、クラッチは滑らせず、プライマリーチェーン、スプロケツトについては潤滑性がある必要がある。
スポーツスターのスポーツトランスフルードや、他の多くのパイクに使われているミッションオイルと同じようなものだ。

ハーレーダビッドソンのミッションオイルは八イポイド・ギアオイルといって、大きな負荷を受けることを想定して局圧時での潤滑性に優れたオイルを指定している。
大きなカウルを付けたり、沢山の荷物を積んだり、タンデムしたり、と負荷が多いからだ。


仮にプライマリー・オイルをミッションに入れても大きな問題はない。
ただ、ミッションは高負荷になることを想定して作られているので、ミッション専用オイルを使うほうが良い。
反対に、ミッションオイルをプライマリーに入れると、クラッチが滑ってしまうから問題がある。


エンジンオイルはハーレーダビッドソンの場合、純正のものは鉱物油だ。
ハーレーダビッドソンのミッションオイルやプライマリーオイルも鉱物油だ。

ミッションやプライマリーのオイルは純正、社外を問わず100%の化学合成油はほとんどない。
エンジンほど高温、高回転にならないから、鉱物油で良い。

べ―スオイルにもいろいろ種類があって、エンジン、トランスミッション、プライマリーにはそれぞれ別のベース・オイルが使われている。
エンジンオイルは、石油から抽出したべ―スオイルに、必要な性能をもたせるための添加剤をブレンドして作られている。
ミッションオイルやプライマリーオイルも同じで、それぞれの役割に合うような添加剤がブレンドされている。
ミッションオイルとプライマリーオイルに共通する点は、エンジンオイルよりも対発泡性があることだ。
対発泡性とは泡立たないようにする性能だ。
同じ所でかき混ぎる動きをするので、オイルが泡立ちやすいが、泡立つと泡の部分でオイル切れしてしまうのだ。

ハーレーのサスペンションは全てスプリンガーだった

昔のバイクは、サスペンションがなかった。
その後フロントは八ンドリングに影響するため、初期の段階でサスペンションが導入された。
ハーレーは昔、フロントフォークが、スプリンガーだった。

スプリンガーフォークと同じように、むき出しのスプリングで衝撃を吸収するフロントフォークにガーダーフオークというものがある。
当時のインディアンはガーダーフォークを採用していた。

スプリンガーフォークより構造的にガーダーフォークの方が優れていた。
スプリンガーフォークはストロークする量が少なく、衝撃がスプリングだけでなくリジットフォーク側にも伝わってしまうので、フォークが折れてしまうというトラブルもあった。

その後、ハーレーは油圧ダンパー付きのスライドフォーク、通称テレスコピックフォークを採用した。
テレスコピックというのは望遠鏡という意味で、インナーチューブがアウターチューブに出入りして伸び縮みすることから、この名前が付けられている。
このフロントフォークを初めて採用したハーレーは、八イドラグライドという名前で登場した。
八イドロリック(油圧式)サスペンションモデルという意味だ。

スプリングだけだと、サスペンションはいつまでもフワフワと上下に動こうとしてしまう。
油圧ダンパーが付くと、ダンパーはその動きを穏やかに抑える働きをする。

スプリンガー・フォークの時はそれがなかったんですね。

現在のハーレーのテレスコピック・フォークは、ビッグツイン系がφ41、スポーツスターがφ39で、見た目ほどは変わらない。
フォークそのものが太いのではなく、カバーのせいで太く見えるのだ。

八イドラグライドが登場したころには、八―ドクロームメッキを施す技術がなく、インナー・チューブに石が当たると簡単に傷つくのを防ぐためにカバーで覆ていた。
今では必要ないが、ルックス上、昔ながらのイメージを保つために残してある。

現在のスプリンガーフォークは、ウイリーGの発案によって88年に復活されたものだ。
昔のスプリンガーフォークと基本的な方式は同じだ。
しかし復活に当たっては十分な強度を得るためにコンピュータを駆使して再設計されている。
材質も軟らかくて密度の高い軟鋼を使用することで、折れにくくなっている。
しかし、テレスコピックフォークに比べれば、強度は劣る。
社外の強力なブレ―キシステムを装着すると、フルブレーキング時にフォークが曲がってしまう可能性がある。


ハーレーのリアにサスペンションが付いたのは58年。
この年からそれまでの八イドラグライドに代わり、デュオグライドという名前になった。
八イドラグライドまではシート下にサスペンションがあって、シートが上下に動くことで衝撃を吸収していた。
デュオグライドからはスイングアームを設け、サスペンションによって衝撃を吸収するという、現在のバイクと同じ方式になって、乗り心地は格段に改善された。

ソフテイルも、方式の基本的な考え方は実は同じだ。
発表当時のソフテイルのサスペンションは、窒素ガスによるダンパーを備えていた。
ダンパー効果が薄く、ガスユニットがショック本体と別体式だったので、取り外しにくいデメリットがあった。
88年からはオイル式のダンパーを備えた一体式のものになっている。

ハーレーのフロントフォーク(レイクとトレイル)

バイクのフロントフォークは、まっすぐではない。
寝かされているのだ。
ハーレーではツーリングモデルが最も立っていて、V−RODが最も寝ている。

バイクにはタイヤが2個ある。
フロントのタイヤはまっすぐに走っているように見えて、実は常に左右にバランスを取りながら、微妙に蛇行している。
バイク自身が自分でバランスを取って、自己補正しているのだ。
この自己補正機能は、「キャスター角」と「トレール」が非常に影響している。

キャスター角がついていることで、バイクには傾いた方向にステアリングが切れて、進もうとする方向にフロントタイヤを向ける働きが生まれる。
キャスター角のために、タイヤが地面に接する点が、ネック(ヘッドバイプ)の中心線の延長線が地面と交わる点よりも後ろになる。
この2点の距離がトレールだ。

タイヤの接地点は、ネックの中心線の延長線が地面と交わる点に引っ張られている。
この引っ張る力が、タイヤをまっすぐ前に向けようとする方向に作用する。
キャスター角とトレールが作用し合って、バイクをまっすぐ前に進めるように補正しているのだ。

キャスター角が大きいほど、つまリネックが寝ているほどトレールも大きくなり、自己補正機能も強くなり、直進時の安定性が増す。

ハーレーのキャスター角は、他のバイクと比べて直進安定性を重視した設定になっている。
キャスター角が大いのだ。
ハーレー広大なアメリカで長距離を走るために造られたバイクだから、直進安定性を重視するのは当然かもしれない。

チョッパーやドラッグレーサーは、フロントフォークをさらに寝かている。
直進安定性をもっとよくするためだ。
長距離を走るアメリカで、例え手放ししてでも走れるようにトレールを増やしていたのだ。


フロントフォークを寝かせるには、ネックを寝かせてキャスター角を大きくする方法と、トリブルツリーを換えて寝かせる方法がある。

ネックを寝かせれば、トレールが増えて、オートバイの自己補正性、つまり直進安定性が増す。
しかしその反面、限度を超えると、八ンドルをまっすぐにしている時と、切った時との車高がかなり違ってくる。
八ンドルを切った時は、まっすぐにしている時に比べてフロントの車高がかなり下がるのだ。
低速で走行中、曲がろうとする時、車重の位置エネルギーが、八ンドルを過剰に切れ込ませる方向に働いてしまい、かえって不安定になってしまう。
ネックを寝かせると、八ンドルの切れ具合が同じでも、実際にフロントタイヤが路面上で切れている、いわゆる実舵角が減っていく。
だから回転半径が大きくなってしまう。
キャスター角を1度寝かせただけでも、実舵角は大きく違ってくる。

トリプルツり―を換えて寝かせるとフロントフォークのオフセット量を増やすことになる。
フロントフォークのオフセット量を増やすことは、トレールを減らすことにつながる。
つまり直進安定性は犠牲になる。
フロントフォークの角度はついても、八ンドリングは軽くなり、旋回性は上がる。
やりすぎると、車速が上がった時や、クイックな切り返しをする時に、不正確な動きが八ンドリングに表れてしまう。
フロントが暴れたり、接地感がなくなったりして危険なのだ。

バランスを上手く取ることが大切なのだ。

派手な走りをしないなら、ネックを寝かせている、つまリキャスター角がついているものを、さらにトリプルツリーでわずかに寝かせることは、相殺し合って、比較的ニュートラルな八ンドリングを得られることもある。
∨ロッドのキャスター角とトレールはそのような設定だ。

フロントフォークの角度を寝かせるのにも限りがあって、3度から5度ぐらいが一般的に走れる限度と言われている。
キャスター角やトレールは、1度違っただけで八ンドリングに大きな影響を与える。
カスタムをする際はバランスを考えられるメカニックが必要だ。

フロントフォークを寝かせるのと同時に、フォークを伸ばすのもチョッパーでは定番のカスタムだ。
フロントフォークを伸ばすことも寝かせることも、目的は同じで、互いに密接な関係がある。
フロントフォークを伸ばせばフレームの前が持ち上がって、ネックを寝かせるのと同じことになる。
フレームと一緒にエンジンの位置も上がって、重心が高くなってしまうから、同時に寝かす必要もある。
逆に、ただ寝かせるだけでは車高が下がりすぎてて、バンク角が浅くなってしまう。
それを防ぐには、フォークを伸ばす必要があるのだ。
最近では操作性を考慮して、ネック部分のみを持ち上げて寝かすという手法も登場している。