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2007年8月28日

ハーレー・ダビッドソンのブレーキ

ハーレー・ダビッドソンのフロントブレーキは、改良されているとはいえ、いまだに利かないと言われる。
これはハーレー・ダビッドソンがフロントブレーキを、あえて利かないようにしてると考えらる。
それはフロントサスペンシ∃ンのセッティングと関連している。

ハーレー・ダビッドソンのブレーキは、エンジンやフレーム、サスペンションと同じように、道路の整備が進んで、より高速で移動できるようになるにつれて、性能が改良されていった。

まず、ブレーキの仕組みを説明しよう。


<ディスク・ブレーキの仕組み>
ハーレー・ダビッドソンにはディスク・ブレーキが採用されている。
レバーやベタフレを操作することによって、マスター・シリンダー内のビストンが押されれ、油圧が生じる。
この油圧がブレーキ・ホースを通じてブレーキ・キャリパー内に伝わり、キャリパー内のビストンを押し出す。
ビストンはブレーキ・パッドをディスク・ローターに押し付ける。
1999年モデルまでのハーレー・ダビッドソンは片押し(ピンスライド)式2ポット・キャリパーが採用されていた。
ブレーキ・キャリパーは、ピストンがある2ポットで、ディスク・ローターを両側から挟む対向ビストン式だ。

最近のハーレー・ダビッドソンはスプリンガーのフロントを除くと2000年モデルから採用されている対向ビストン式4ポット・キャリパーになっている。
ディスク・ローターも2000年モデルから形が改良された。
1999年モデルまでのものとは穴の形状が異なる。
より放熱性が増し、変形やクラックに強くなっている。
ハーレー・ダビッドソンはディスク・ローターの穴もただのデザインじゃないのだ。


<ドラム・ブレーキの仕組み>
ハーレー・ダビッドソンでは今は採用されていないが、オートバイのドラム・ブレーキはレバーやペダルを操作することによって作動カムを回転させ、ブレーキ・シューが押し広げられて、ホイール・ハブと一体のドラム内則に押し付けられる。
作動カムが一つのリーディング・トレーリング・タイプと呼ばれるものはオートバイのドラム・ブレーキでは最も一般的な方式だ。


ハーレー・ダビッドソンは今は前後とも油圧式のディスクブレーキが採用されていが、1957年までは前後ともワイヤーやロッドで作動する機械式のドラムブレーキだったのだ。
ドラムブレーキは、ブレーキシューと擦れ合う面が輪になっていて、樽のはめ輪のような形をしていることから名付けられたブレーキ方式のことだ。

通常ドラムはアクスルシャフトを支えるホイール八ブと一体になっているが、昔のハーレー・ダビッドソンのビッグッインのドラムブレーキは、メンテナンス性を考えて、八ブとドラムが別体になっていて、ドラムのみ取り外すことができた。

ハーレー・ダビッドソンの前後のホイールは同サイズだったから、これによって、クルマのように前後のホイールを□―テーションすることもできたのだ。

1950年代になると、∃―ロッパなどのスポーツバイクでは、同じドラムブレーキでも2り―ディング方式と呼ばれる、より高性能なタイプが一般的になった。
ハーレー・ダビッドソンはリーディングトレーリング方式と呼ばれるコンベンショナルなタイプを使い続けていた。

リ―ディングとリ―ディングトレーリングの違いは、一つの作動カムでブレーキシューを押し広げる場合、二つのブレーキシューは、ドラムの回転方向に突っ張る方向で接するものがリ―ディングシューで、なじむ方向で接するものがトレーリングシューになる。

これに対し、2リ―ディング方式は、カムを二つに増やして、一つのカムが一つのブレーキシューを押し広げるようにしたもの。
これによって、ブレーキシューを二つともリ―ディングシューにできる。
これはより抵抗のある、つまりよく利くブレーキ方式と言える。

ハーレー・ダビッドソンのブレーキが改良されたのは、1958年のデュオグライドからだ。
作動カムの代わりに油圧式ピストンを使う油圧式ドラムブレーキになった。
これは自動車のブレーキでは一般的な方式で、信頼性も性能も数段アップした。
ハーレー・ダビッドソンはマシンのパワーと重量が増すにつれ、ブレーキ性能もより高いものが求められたのだ。

そして、1970年からのハーレー・ダビッドソンはフロントにディスクブレーキが採用された。
市販車で初めてディスクブレーキを採用したのが、1968年から発売されたホンダのCB750だった。
ハーレー・ダビッドソンは世界に遅れをとらず、比較的早い段階でこの方式を取り入れたことになる。

ディスクブレーキは、ドラムブレーキに比べて、性能が高い。
ディスクブレーキのメリットは、ディスクが露出しているため、放熱性がいいことだ。
それに対し、ドラムは熱がこもりやすい。

ディスクブレーキのメリットは、高いスピードで繰り返し使用するような場合でも、有効な制動力が得られることだ。

逆にドラムブレーキのメリットは、機械式の場合パーツ点数が少なく、製産コストを安くできることにある。
だから、小排気量車のバイクの中には今でもドラムブレーキを採用しているバイクもある。

車重が重くて、高速クルージングすることが多いハーレー・ダビッドソンにとっては、ディスク化は不可欠だったのだ。
しかし、当時のハーレー・ダビッドソンのディスクブレーキは、今と比べたら、お粗末といえるものだった。

ハーレー・ダビッドソンの最初のディスクブレーキは、ブレーキキャリパーが扇形で、ビストンは一つだった。
ディスク□―ターは鋳鉄製で、直径10インチだった。
1977年に発表されたハーレー・ダビッドソン、F×S□―ライダーからは、ディスクローターを2枚にしたダブルディスクが採用された。
それでも、まだ利きはあまりよくなかった。
そして1982年からは、キャリパーが大きくなり、□―ターも11.5インチになって、それまでのダブルディスクよりも制動力はアップした。
だからFLの上級車種や、□―ライダースポーツ、×Rl000などのスポーツモデル以外のハーレー・ダビッドソンはシングルディスクに戻ったのだ。

ハーレー・ダビッドソンのリアブレーキは、1974年からディスクブレーキになった。
リアブレーキの性能に関しては、昔からこれといった不満は間かれなかった。
だから、フロントよりも遅れて採用されることになったと思われる。

ハーレー・ダビッドソンのリアのブレーキキャリパーは、その形から通称バナナタイプと呼ばれていた。
1979年から一部の車種は片押し2ビストン式のものに変更され、この時□―ターも11.5インチになったが、バナナタイプはほとんどのモデルで存続した。
このハーレー・ダビッドソンのキャリパーはキャリパーを支えるピンの摩耗が早く、ガタが出るトラブルが多かったので、1982年には対策を施したものになった。

そして2000年からのハーレー・ダビッドソンは、全モデルとも、フロントもリアも4ポットの対向ビストン式のキャリパーになったのだ。
ハーレー・ダビッドソンはツインカム88エンジンが登場したことで、さらに高速性能が向上したので、それに合わせてブレーキもより強力なものにしたのだ。

ただし4ポットの対向ビストン式のキャリパーはハーレー・ダビッドソン全モデルではなく、スプリンガーフォークを採用しているモデルに関しては、フロントは1ポツト式のままだ。
スプリンガーフォークは、テレスコピックフオークに比べると剛性が弱いため、強力なブレーキにすると、フルブレーキの時に、フォークが曲がってしまう可能性があるからだ。